【書評】お金の流れで読む 日本と世界の未来世界益投資家は予見する
お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する (PHP新書)
- 作者: ジム・ロジャーズ,大野和基
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2019/01/17
- メディア: 新書
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米国3大投資家のひとり、ジム・ロジャースさんの投資家としての今後の世界経済の本です。
この本でジム・ロジャースさんが提言している点は以下の3点です。
- 自分が10歳の若者ならばすぐに海外に移住している
- 韓国半島が南北統一されたとき、世界で一番の投資先になる
- 中国がこの先も世界の覇権を握るので中国に投資する、その為に中国語をマスターし米国への投資は撤退すべきだ
自分が10歳の若者ならばすぐに海外に移住している
ジム・ロジャースといえば親日家として有名と認識していましたが、そんな人でも現在の日本状況はオワコンらしく、投資先としては魅力を感じていないとのこと。
私なりの解釈で言えば日本という国がオワコンなのではなく、日本政府がオワコンと思っているのかもしれない。時代にそぐわない増税、結果の出ていない形だけの経済政策、意味のない公共事業への投資など欠点を上げたらキリがない。
少なくとも教育水準と今まで培った経済大国としての経験値はある国なので、国の指針でもある政策が今行っている内容と逆のことをすればもっと好転すればよいのではないえしょうか。
具体的には老人優遇政策を止めて若者優遇政策をすること、消費税増税を止めて消費税減税政策をすること、年金制度や生活保護制度を廃止してベーシックインカム制度を採り入れることなどです。ベーシックインカム制度はモロ社会主義政策になってしまうので抵抗あるのですが、今の状況を変えるカンフル剤としては一時的に導入はありかと思います。
韓国半島が南北統一されたとき、世界で一番の投資先になる
南北朝鮮半島が統一されたら経済的にはすごい発展しそうな雰囲気はあります。
南の資本を北の発展途上が融合されあっという間に相乗効果が現れると思っています。
しかし私たち日本人には喜べないことがあります。それは「反日」という共通概念で一つの集合国家が生まれ、日本に対して更なる圧力をかけてくる可能性が高いことです。
南と北とを結ぶ唯一の概念がこの反日で現在のムンジェインもキムジョウンも日本のことが大嫌いなので、統一された時に日本人は危険度が高まると思っておいたほうがよいでしょう。
中国がこの先も世界の覇権を握るので中国に投資する、その為に中国語をマスターし米国への投資は撤退すべきだ
現在経済戦争を行っている米中ですが、米国人のジム・ロジャースが自分の国ではなくライバル国である中国を押している点が意外な感じがしました。だって今まで多額の富を築けたのも米国が経済発展したおかげであり、その時に中国人に生まれていたら富は築けないから。
中国はたしかに経済発展、とくにIT分野(フィンテック、ジーマクレジット、自動運転技術など)の発展はすごいものがあると思うのですが、米国には勝てないだろうと思っています。
現にダウ平均株価と上海株価指数の経済戦争後の推移を見てみると米国株の方が優位性が高く、中国に投資している投資家は瀕死状態に陥っています。
今年以降リセッションする可能性が高まっていますが、それでも長期的な目で見て米国に投資すべきだと思います。
ようはこの2つの国を比べた時にどちらの国に住みたいか(もしくは旅行したいか)を比較すればいいと思います。一方は自由で便利な文明がどんどん享受できる国がいいか、もしくは一党独裁国家の監視され続けながら言いたいことも言えず、やりたいことも制限を受ける国がいいのかを。
僕は考えるまでもなく自由な国がいいです。犯罪が多く治安が悪いとか言われていますが、この国の雇用統計はすこぶるいいし(どんなに遊んでいてノンキャリアでも働きたい意思があればすぐに働けるらしい)、生活に便利なテクノロジーがどんどん生まれているので生活する分には不自由さはないと思うので。
ジム・ロジャースの投資先は一見参考になるかもしれないが、これをすべて鵜呑みにして投資するのはありえないだろうと思いました。